MULTIPLE DRIVE FAILURE
NASで複数ディスクに
障害・警告が出た時の対処
複数台の表示が同時に変わった時は、「何台を交換するか」より先に、RAIDがまだ障害許容範囲内か、一時切断か物理故障か、別バックアップがあるかを確認します。ディスクを抜く操作自体が構成を変えるため、現状記録が最優先です。
RAIDごとの一般的な障害許容
構成一般的な許容と注意
RAID 0/JBOD/単体冗長性なし。メンバー故障でデータへ到達できない可能性
RAID 1/RAID 5/SHR-1通常1台まで。2台目の故障・未認識は許容超過の可能性
RAID 6/SHR-2通常2台まで。3台目、または再構築中の追加エラーで許容超過
RAID 10単純な台数では決まらず、同じミラーペアの両方を失うと到達不能になり得る
実際の許容範囲は構成、スペア、メーカー実装、現在の状態で異なります。警告数だけで「まだ安全」と判断しないでください。
原本を変えない確認順序
- 全ベイを正面から撮影LED、ベイ番号、ラベル、ディスク位置を記録。抜いて型番を確認しません。
- RAID・プール・ボリューム状態を保存Ready、Degraded、Read-only、Not active、Crashed、Errorとエラー全文を撮影します。
- 各ディスクの表示を一覧化Good、Warning、Faulty、Disconnected、I/O error、SMART警告と最初に変化した時刻を控えます。
- 停電・抜去・更新・リビルド履歴を記録同時故障に見えても、電源・ケーブル・拡張筐体の一時切断が原因の場合があります。
- 別バックアップと必要データを確認唯一の原本なら自己修復より保全を優先。必要フォルダと最終バックアップ日時も控えます。
交換を進められる場合・止める場合
状態次の行動
別バックアップあり/障害は許容範囲内/Degraded/対象ベイ明確/異音なし互換表と機種別手順を確認し、1台だけ交換。リビルド完了まで他を抜かない
複数WarningだがRAIDはアクセス可能重要データを別媒体へ優先コピーし、予防交換は1台ずつ公式手順で判断
Not active/Crashed/許容台数超過新規RAID作成、初期化、複数交換をせず、構成とログを添えて専門相談
停電・ケーブル抜け直後に全台Disconnected物理故障と決めつけず、電源・拡張筐体・接続履歴をメーカーサポートへ提示
やってはいけない操作
- 複数ディスクを同時に抜く、ベイ順を変える
- 状態がNot activeのまま新品ディスクを次々挿入する
- 元ディスクを初期化・フォーマットして新規RAIDを作る
- 完全SMARTテスト、スクラブ、リビルドを複数台へ重ねる
- 一時切断と物理故障を区別せず、強制Recoveryを実行する
- 復旧データを元のRAIDへ書き戻す
公式情報で確認する
- QNAP QTS 5.2:RAIDグループ状態Degradedと、許容範囲を超えたNot activeの区別
- QNAP:Error状態からのRAID Recovery一時切断時の条件、元ベイ維持、ディスク故障には使えない点
- Synology DSM 7:RAIDタイプと障害許容RAID 5、RAID 6などの一般的な保護範囲
- Synology DSM 7:ストレージプール修復Degraded状態の修復条件と交換ディスク
RAIDは可用性の仕組みであり、誤削除、筐体故障、複数障害から独立したバックアップではありません。本ページだけを根拠にディスク交換や強制修復を行わず、対象機種とOS版の最新公式手順を優先してください。
よくある質問
2台に警告が出てもRAID 6なら交換してよいですか?
警告と完全故障は同じではなく、RAID 6の2台耐障害性も再構築中の追加エラーまで保証しません。別バックアップ、各ディスク状態、異音、プール状態、交換順序を確認し、複数台を同時に抜かないでください。
一度に2台を新品へ交換すれば早く直りますか?
通常は避けます。QNAPやSynologyの公式交換手順も、複数交換が必要な場合は1台ずつ修復完了を待つ前提です。許容範囲を超えている、Not active、Crashedの場合は交換開始前に専門判断を優先します。
RAID Recoveryを実行すれば故障ディスクも戻りますか?
QNAPはRAID Recoveryを、一時的に切断された元ディスクを元ベイへ戻す場合の機能と説明し、ディスク故障には役立たないとしています。故障と切断を区別せず実行しないでください。
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